カマドウマの繁殖地たる離島への上陸作戦から半年が経過していた。

作戦を終了し、帰投しようとした小川分隊に入ったHQからの無線は、日本の首都である東京にカマドウマの大規模な群れが強襲してきたという耳を疑うものだった。

…結論から言うと、カマドウマの繁殖地はあの離島だけではなかったのだ。

日本大災厄の際に飛来した隕石は、一つだけではない。

各地に無数の隕石が落着し、被害をもたらしている。

そしてその隕石の数だけ、カマドウマの繁殖地も存在していたのだ。

数千から数万規模のカマドウマの大群に襲撃を受けた東京は瞬く間に首都機能を失う。

警察では群れに対処できず、街は避難民に溢れ、多くの都民だけでなく政府そのものまでが、首都の放棄を余儀なくされた。

離島上陸作戦で多くの部隊を投入していた戦術自衛隊は東京への展開に大幅な遅れを生じ、結果東京は陥落。

半年経った現在、日本は仙台に臨時政府の設立を強いられている状態だ。