障害物の多い市街地では射線や視線が通りにくく、ともすれば出会い頭に近接戦闘が頻発する。

言い換えれば、待ち伏せを仕掛けやすく、装甲戦闘車両への肉薄攻撃も容易になる。

歩兵は豊富な遮蔽物に身を隠す事で脆弱性が補われ、野戦より有利に戦う事ができる。

市街戦は都市圏において行われる為、他の戦場にはない特徴が幾つか挙げられる。

遮蔽物が多く、銃・砲・ミサイルの射程が限られ、目標補足が困難となる。

音響・目視・電波による探知と電波通信を阻害する遮蔽物が無数にある。

地理・地形に通じた防御側に有利となる。

民間人が存在すれば敵味方識別が難しく、兵器の使用や作戦と戦術が制限される。

明確な戦線が存在せず、事前の作戦や兵站計画の立案は困難となって、流動的な対応を迫られる。

近代建築物は軽度の砲爆撃や火災によっても容易には破壊出来ず、強固な掩体として機能する。

戦闘によって崩れた瓦礫は交通を阻害する。

野外用の迷彩色は幾何的な造形の多い市街では効果が減じられ、目立つ事もある。

これに対し、灰色や黒色を四角形で塗装した都市迷彩もある。