あれから二年。

大災厄のもたらした甚大な被害は大きく、いまだ戦術自衛隊は復興支援活動に従事している。

小川率いる戦術陸上自衛隊小川分隊もそのひとつ。

瓦礫の撤去、仮設住宅の建築、被災者の訪問、いまだ発見される遺体の収容。

戦争屋と揶揄される彼らだが、決して銃を撃つだけが彼らの任務ではない。

彼らの任務は『戦闘』ではなく『国防』。

国民の平和と財産と生命を守る事が第一の任務なのだ。

オリーブドラブのポンチョを身につけ、ひたすらに瓦礫を73式中型トラックの荷台に積み込む小川。

そんな彼に。

「小川分隊長!」

声をかける女性隊員。