発見される事なく人型カマドウマをやり過ごし、密林地帯を進む小暮。

更に数十メートルほど進むと、密林がひらけてきた。

その先には。

「コイツは凄い…」

まるで一大工業都市のような、大規模な施設が残されていた。

舗装された道路、コンクリートの建物、大きなタンク、工場群。

しかしそれらも、二年前の隕石飛来の際に甚大な被害を受けたらしい。

鉄骨が剥き出しになり、残骸があちこちに散らばり、今は見るも無惨な光景だ。

市街戦でも起きたかのような惨状。

最早戦場と大差はなかった。