数メートルほど進んだ所で、また木陰に身を隠し、片膝をついて周囲を見回す。

この離島にいる敵は人間の兵士ではない。

カマドウマ。

未知の生命体だ。

どんな戦術をとってくるか分からない。

樹上から、地中から、もしかしたら高い跳躍力を利用して空中から襲撃してくるという事も有り得る。

単独潜入とは、あらゆる状況を想定して行動しなければならない。

万が一があれば、すぐに死に直結する。

何しろこの敵地に味方は一人もいないのだから。