「いつもいつも他人の事ばっかり!少しは自分の心配もしなよ!」

カマドウマと取っ組み合って山の斜面を転がり落ちたり、足を摑まれて水中に引き摺り込まれそうになったり、人型に放り投げられて川に叩き込まれたり。

絶対に谷口の方が疲労している筈なのだ。

なのに…。

「…ずっと助けてくれて…有り難う…」

感極まったのか、涙を見せる豊田。

「…礼を言う必要はない…仲間を助けるのも戦術自衛隊員の任務だ」

照れ隠しなのか、豊田から目を逸らす谷口。

そんな彼の頬に手を伸ばし。