前方警戒に当たっている谷口とて同じ事。

疲労の度合いで言えば、遭難中に何度もカマドウマと交戦している彼の方が大きい筈だ。

しかし第一空挺団の精強無比の精神がそれを認めないのか。

彼は疲弊を億尾にも出さない。

「きついだろうが頑張れ。カマドウマ達の掃討作戦が終了次第、俺達も撤退する」

「わかっています」

頷く豊田。

とはいえ、女性である豊田に体力的なハンデがあるのは仕方のない事。

小川達がどうにかカバーしてやらなければならない。