戦術自衛隊格闘徒手技術は、かつての徒手格闘に相当する。

日本拳法を基本とした徒手格闘に、大幅に投げ技や絞め技を追加している。

足首固め、三角絞めなどのいわゆる寝技、関節技が増えたのが特徴。

地面に叩きつける投げや、骨をへし折って行動不能にする関節技などは、実戦において非常に有効とされる。

しかし。

谷口は89式多用途銃剣を逆手に握り締めたままジリジリと動く。

戦術自衛隊格闘術において投げや絞め、関節技が有効とされるのは、あくまで『人間相手の場合』だ。

人対人、兵士対兵士を想定しての戦術自衛隊格闘術。

目の前に立つカマドウマの人型のような、こんな化け物を想定しての技術体系ではない。