あたしは自分の身になにが起きたのか、わからなかった。 たしか、あたしは慶介と温泉にいた。 そして、そこに雪絵さんと男の人が入ってきて… そこまで思い出して、あたしはみるみるうちに血の気が引いていく。 「さっきは、急に慶介君があなたを抱えて岩の陰から出て来たから驚いちゃった」 そう言うと雪絵さんはふわりと笑ってみせた。 結局、バレちゃったんだ… 「すみません…」 青白いあたしの顔は、今度はピンク色に染まった。 「なんで謝るの」 雪絵さんはケロッとしていて、朗らかに笑った。