あたしは、男に腕を引かれ大広間から出た廊下を歩く。 さっきまでの騒ぎが嘘のように、静寂に包まれている。 あたしと男の足音しか聞こえない。 来るんじゃなかった・・・・・ あたしは後悔の念に襲われた。 普通なら、ここで誰かが助けてくれるはずなのに。 何で誰も来ないの!? フロントの前を通る。 でもそこには誰もいない。 「葵ちゃん・・・・・」 不意に男に名前を呼ばれた。 あたしはそれだけで身体が強張ってしまう。 そしてゆっくりと男を見上げた。