あたしは、ゆっくりとその姿に歩み寄った。
それは、まるでスローモーションのように感じた。
昨日とまるで同じように、まるでデジャブのように、あたしに気が付いた慶介が振り返った。
そして、驚いた彼は椅子からユルユルと立ち上がる。
あたしが見ているのは、夢?
それとも昨日の事が夢だったんだろうか・・・・
「・・・・・」
でも、昨日とは違うよ。
あたし、慶介にちゃんと伝えたい事がある。
もう、待ってるだけじゃいけないんだって。
きっと、あたし達がこうして出逢ったのは、全部必然だったんだって今はそう思えるよ。
キャンドルライトで、慶介の顔が照らされていて、すごく幻想的。
あたしは、彼の全てを見逃さないように、まっすぐに彼の元へ向かった。
髪に付いていた雪が、溶けてあたしの髪をほんのりと濡らしている。
ただ、黙ってあたしの顔を見つめている慶介。
スーツ姿の慶介。髪もしっかりセットされていてあたしは初めて慶介に会った時を思い出した。
・・・・・・うんん。
あれは・・・・・・再会―――――だね。



