いつしか空からはヒラヒラと雪が舞っていた。
白い宝石は、まるで神さまからの贈り物みたいにさえ感じた。
みんなが待ち望んでいた“ホワイトクリスマス”。
バンッ―――
勢いに任せて扉を開けた。
「はあ・・・はあ・・・」
この場所は昨日の教会。
まだ間に合うなら慶介はきっとここにいる。
昨日は、悲しみのどん底にあたしを落としたこの場所に、自分から来てしまうなんて。
まだ一日しか経っていないのに、もう随分前のような気がしてくる。
苦しくて、目眩を起こしそうな感覚にあたしは勇気を振り絞ってゆっくりと足を踏み入れた。
「・・・・・」
愛おしい姿。
昨日と同じ場所に彼はいた。



