気づかないうちに、頬にはポロポロと涙が溢れていた。 ―――――あれは・・・偶然なんかじゃなかったんだ。 「ジュンヤ君・・・・まだ間に合うかな」 あたしは鞄を掴んで立ち上がった。 「おう。がんばれ~メリークリスマース☆」 ジュンヤ君は顔の横でVサインを作ってにっこり笑った。 「うんッ!ありがとう!!」 勢い良くお店を出て、あたしは外へ飛び出した。 晴れていた空はどんよりと厚い雲のカーテンを敷き詰めている。 頬を撫でる風が刺すように冷たい。 でもあたしは、迷わず走った。 彼の元へ――――