『婚約はなくなったけど、これからも一緒にいよう』
そう言って、優しくあたしを包みこみ熱っぽいキスをくれる。
恥ずかしくてはにかむあたしを覗き込んだ慶介の瞳は甘くて。
さらにあたしは顔を火照らすんだ。
夢を見てた。
もしかしたら、そう言ってくれるかもって。
ほんの少しの奇跡を信じて。
今まで、あたしを愛してくれた慶介が嘘じゃないんだって・・・・・
でも―――――――
“ごめん”
今、そう言ったの?
『ごめん』って・・・・?
「ふぇ・・・」
顔を両手で覆ってその場に力なくしゃがみ込んだ。
もう立っている事も出来ない。
あたし、何しにここに来たんだろう。
こんなふうに傷つきにきたの?
ばかだ・・・・・
・・・・所詮、大人が決めた結婚。
こうなるのはわかってたのに。
プレゼントを握り締めた左手に、冷たい涙がポトポトと溢れ落ちた――



