そうそう・・・
確か、あれはあたしがまだ12歳の時―――
あの日も亮と二人でお父さんの会社にお弁当届けに行ったんだっけ。
あたし達、初めて二人で行ったから本当はすごく緊張してたのに平気なふりして。
幾つもの駅を越えて、バスに揺られてやっと目的地についた時は、涙が出そうだった。
あたし達、嬉しくてはしゃいでて・・・・
「ふふ・・・」
「なに・・・急に?」
突然思い出し笑いしたあたしに亮は気味悪そうに、眉を潜めてあたしを眺めている。
・・・・・・・・・・・・
・・・あれ?
はしゃいで・・・・あたし、あの時なんかやらかさなかった?
「ねえ。あたし達が初めて二人でお父さんの会社に行った時のこと覚えてる?」
「はあ?」
あたしの意味のわからない突然の言葉に、亮は身を乗り出してあたしの顔をまじまじと見つめた。
「あたし、なんか・・・・しなかった?」
亮は記憶を辿るように視線を宙に泳がせて考えているようだった。
そうだよ・・・あの日。



