ハッピー☆ウエディング



あたしの傍までやってくると、彼はあたしの座るベンチに腰を下ろした。




「・・・・・亮・・・・・お姉ちゃんって呼びなさい」


「いいじゃん、別に。
で?なにしてんだよ、こんなとこで」



はあ・・・と両手を口元に持って言って寒そうに亮はあたしの顔を覗き込んだ。



「・・・・あたしだって、たまには感傷に浸りたい時もあんのよ」




まだ15歳のくせに、やけに大人っぽい雰囲気の亮。
髪なんか少しだけ染めてて、ゆるくウエーブかかってる。
たぶん、ワックスかなんかでセットしてあるんだろう。

カジュアルな緑のダウンにアジアン風のネックウォーマー。
その肩から、黒のメッセンジャーバッグをさげている。

あたしに似合いそうもない、鮮やかな色を好んで身につける亮。
それがすごく亮に合っているからまた悔しい。

弟相手にこう思うのっておかしいのかな?



でも、たまに本当に血の繋がった姉弟なのか疑ってる自分がいたりして。




「ふーん・・・・」





そう言って、空を仰いだまま亮は何も言わなかった。



亮もあたしも黙って空を見上げてる。



小さな公園の周りには大きなビルが立ち並んでいて、ここから見上げる夜空は穴ぐらから見える景色のように思えてくる。

車のエンジン音、時々聞こえるクラクション。

それら全てが、雲って聞こえてまるでここだけ別世界にいるみたい。






・・・・・変なの。


こうして亮と二人きりでいるなんてもう何年もなかった気がする。


小さな頃は良く二人で遊んでたっけ。


お父さんの会社にも一緒に行った覚えがある。