家から出たくないと意固地になっていたあたしを美羽が強引に連れて来たんだ。
ちょっとは、あたしの気持ちも酌んで欲しいと思う反面、こうしていれば一人で慶介の事を考えて泣かずにすんでホッとしていた。
「ねぇ・・・・ちゃんと慶介さんと話はしたの?」
「うんん」
「なんで?電話は?メールしてみた?」
美羽の問いかけにあたしは首を振った。
美羽は納得いかないらしく、熱々のカフェ・ラテを一気に飲み込んだ。
「・・・ひどいよ。慶介さん・・・
わかってたんならどうして葵に気を持たせるようなことしたの?あたし、許せない」
「・・・・・・・」
美羽は、大きな瞳に涙を溜めて下唇を噛締めた。
あたしは、美羽がまるで自分の事のように思ってくれているがすごく嬉しくて、もうそれだけで心が少し軽くなるような気がした。
「もういいんだ。
あたし達にはどうにもならない事なんだよ、きっと。
慶介も苦しんでるんだと思う。
慶介ね・・・・最後にあたしにこう言ったんだ。
“絶対に幸せになって欲しい”って。
そう言って笑ったの。
でもね・・・・あたしには泣いてるように見えた。
もう・・・それだけで十分だよ・・・
あんな辛そうな慶介初めて見た・・・・・」
「葵・・・・・・」
「・・・・・」
無意識に流れてる涙にハッとして慌ててそれを拭った。
「ありがとう美羽・・・・ほんと、美羽がいてくれてよかった」
あたしの言葉に美羽その大きな瞳からとうとう雫が落ちた。
「よーし、合コン!クリスマス・イヴは合コンよ!失恋を癒すのは恋しかない!」
「あはは」
周りも振り返るような大きな声で美羽は叫ぶと早速、ケーキをつつきだした。
合コンか・・・・
あたしは美羽に気づかれないように小さな溜息をついた。
クリスマスまで・・・あと2日――――



