「それでは、そろそろ失礼します」 そう言うと社長は重たそうな体を起こした。 それに続いて後ろに座っていた男の人も立ち上がった。 この人はきっと秘書かなんかだろう。 お父さんもお母さんもスッと立ち上がった。 「さ。慶介も」 今までずっと黙っていた慶介。 社長に肩を叩かれ促されたけど、立ち上がろうとはしなかった。 そして慶介は真っ直ぐにあたしを見つめた。 切長の瞳。 笑うと垂れ目になって急に印象を少年のように変えてしまう。 その瞳が好きだった・・・・・