喉の奥に何かつかえてしまってうまく息をする事が出来ない。 他の誰もがうつ向いているのに社長だけが笑っている姿がとても滑稽に思えた。 しばらくして後ろに座っていた男の人が時計を気にし出した。 そしてそっと社長に耳打ちをしている。 「そうか・・・わかった」 彼の言葉に社長は頷くと、再びあたし達に向き直った。 そしてスーツの中に手を突っ込むと、紫色の布に包まれた小さな袋を取り出してスッと机の上に置いた。 「気持ちです。受け取って下さい」 社長のその行為に慶介の表情が少しだけ歪んだ。