瑛太たちのバンドは、来月メジャーデビューを控えた人気バンドの前座をやる事になってた。
こうゆうのを経験して、お客さんの口コミで人気がでるバンドもいるみたい。
だから、前座だからって、自分達を見に来てくれたお客さんじゃなくたって、大事にしたいって瑛太が言ってた。
時々、心無い人から中傷される時もあるみたい。
それでも、自分達の歌をたくさんの人に聴いてほしいって。
キラキラし瞳で話す瑛太に、ただのチャラ男な訳じゃなくて、しっかり『自分』を持った人なんだってわかった。
やっぱり、夢を追いかけてる人には弱い・・・・。
「お前、一番前で見てろよ」
そう言って最前列を用意してくれた瑛太。
でも、ね?
困るんです。
だって・・・・・・
周りとのこの温度差。どうしたらいいのよぉ!?
居心地の悪さに、ソワソワしているとステージの照明が一気に落ちた。
「「キャアアーーー!!!!」」
それと同時に割れるような歓声だ飛んだ。
「す、すご・・・」
あたしは思わず両手で耳を塞いでしまう。
小さなライブハウスいっぱいに、これでもかってほどの人。
その熱気に圧倒されっぱなし。
真っ暗のステージの中に、パッと照明がついた。
そして、一際高い歓声。
その中に現れたのは・・・・瑛太だった。
そこにいるのはさっきまで自分の横にいた人物。
それに間違いないのに、まるで全然知らない人みたいに、ほんとに芸能人みたいに感じてしまう。
静かに出てきた瑛太は、マイクの前に立つとギターを肩にかけた。



