驚いた顔をしたのは一瞬だけだった。 慶介は驚くほど冷静な顔をしてあたしを見つめた。 その口から発せられる次の言葉をただ黙って待つ。 「・・・・本当にいいのか」 「え?」 そして、景色も見ずに俯いた慶介の表情は暗闇に溶けて、はっきりと読み取る事は出来なかった。 慶介の口から出た言葉は、喜こびの言葉なんかじゃなかった。 むしろ、この結婚に疑問を抱いているような・・・ そんな、言葉だった。 あたしは、慶介の言葉の真意がわからず、ただ・・・ 俯いている慶介を見つめるしかなかった。