振り返ると、ドアにもたれかかってこちらを見ていた慶介と視線がぶつかった。
「びっ・・・くりした・・・もう起きても平気なの?」
慌てて傍に駆け寄るあたしを見て、慶介は小首をかしげて微笑んだ。
「ん。葵の作ってくれたお粥のおかげかな」
ドキ!!!
「え・・・え?」
そう言って、あたしの頭にポンポンと手を乗せた。
慶介の口から出た言葉とはにわかに信じがたい。
ひえーっ!!!
初ポンポンだぁ・・・
ドギマギしているあたしをよそに、慶介は冷蔵庫からお茶を取り出すとゴクッっと喉のを鳴らせて飲んだ。
「ちょっと、シャワー浴びてくる」
慶介は、そう言うと部屋を後にした。
はあ・・・
なんか、心臓にわる・・・
でも、元気になってよかったな。
こういう時の1人暮らしは心細いんだろうな。
あたしはまだドキドキと波打っている心臓に手を当ててフウッと溜息を漏らした。
それと同時に、慶介の声があたしを呼んだ。
「葵」
「はっはい!!!」
あたしは驚きのあまり声が裏返ってしまう。
部屋のドアから顔を覗かせた慶介が、ニヤリと笑った。
「一緒に入る?」
「へ!?」
パクパクと声にならないという顔をしているあたしを見て、慶介は余裕の笑みを浮かべてまた顔を引っ込めた。
か、からかわれたんだ・・・・
だめだ・・・
やっぱ、心臓もたないかも・・・
あたしはお風呂場から聞こえるシャワーの音に耳を澄ませた。



