汗をびっしょりかいている慶介は体に張り付いているTシャツの襟を指で伸ばしている。 「はい…これ」 あたしは遠慮がちにその見栄えの悪いお粥を慶介の前に差し出した。 「………」 なぜか、お粥を見つめる慶介。 「葵、もう少し料理を勉強したほうがいいな」 「なっ…!!!」 そう言いながらも、慶介はお椀に入っていたお粥を綺麗に食べてくれた。 よかった… これは間違いなく慶介の優しさなんだろう。 だって、あまりおいしくないのはあたしが一番知ってる。 片付けをしていると、不意に背後に気配を感じた。