*廉*

クラスにも慣れて良かった。

俺は人見知りだから友達できるか正直不安だった。

でも、一ヶ月で、俺の周りに新しい友達がいる。

それは、皆には当たり前かもしれないけれど人見知りからしたら凄い事だった。

「なぁ廉。
由佳ってどう思う?」

また始まった。
翔はいつもこうだ。
昨日も、女話をしては一人で妄想に浸かってニヤけている。
呆れた。
でも、こういうのが青春なんだろうか?
だとすれば、翔はどっぷり青春していることになる。

「誰だよ由佳って。
知らねーよ。」

「ほら、あいつだよ。」
そう言って翔が指さした。
その時、ポニーテルをしてる奴と二つ結びしてる女子が教室へ入ってきた。

そして、翔は得意げに言った。

「ポニーテルしてる方が、山田めぐ。
二つ結びの方が渡来由佳だ。クラスメートぐらい覚えろよ!」

背中をバシッと叩かれた。

「イッテェー」

その声は教室中に鳴り響いていた。
渡来たちがこっち見て笑ってる。

----ドキンッ----

胸がなった。
((渡来って笑ったら可愛いじゃん。))
そう思った。