それでも、好きだった。

*めぐ*

由佳は複雑な人だ。

今日、廉君達が帰ったあとすぐ帰った。
追いかけるように、疲れたから先帰るねって言ったけど、追いかけたんでしょ。

あーうざい。

そう思って教室に残った。

由佳が言ってたし。

教室に残ってたら?

あたし先帰るし。

どーゆー意味なわけ?

家に帰るなって言いたいの?

なんで、一人残されなきゃいけないわけ?

それは、きっと、あたしが、今日日直だからだろう。
日誌書かなきゃいけないのを忘れてたから言ってくれたんだろう。

一人が怖い。

だって、なんか今にもでそうじゃん幽霊が…。

そう思って日誌を書いていた。
その時。

廉君が来た。

バサッ。

やばい。日誌落としちゃった。

廉君が話しかけてる。
何言ってかわかんない。

きっとあたしテンパってんだろう。
情けない。
これは、由佳の仕業?
だとしたら、嬉しい。

とっさに出た嘘。

由佳の電話番号って言いながら、自分の番号書いちゃった。

これでもし、電話してきたら廉君は由佳の事好きなんだよな。

なんて考えながら携帯をぼーっと眺めていた。