父母side



怜君が帰り美空が自分の部屋に入っていった

母さんが口を開く…
『あなた、美空たちを3年後許すんですか!?』
って

私は考え込んだ…

確かに3年後なんの問題も無い娘ならばすぐに認めてあげたい…

でも、高校3年の時からもう三度も手術をしている娘、

これからだって分からない…

結婚してすぐに何かあっても…

私は重い口を開いた…
『そうだな…
美空の事を考えれば
怜君と一緒にさせてあげたいが…

怜君を思えば…
美空が、もし、いなくなったことを考えると…
怜君にはまだまだ未来がある
美空は、その未来がな…明日どうなるかも…
親として…どうするのが正しいかまだ分からない…
二人まだ若い…
とりあえず3年考えておこう!!』

っといった

母さんは
『私もそう思います…
美空の幸せも大切ですが、
怜君には美空のいなくなった後も生きていかなくてはいけない現実がありますからね…
奇跡でも起これば、美空がもう完治してればいいのですが…』
って涙を流して
『私が変わってあげたい…
私じゃなくてどうして美空が…』
と泣いた…

そんな母さんを私は、
強く抱き締めた…
そばにいてあげれない自分に腹が立ち…
今まで母さんは涙を見せたことがなかったから、その涙を見たとき、本当はずっと我慢していたのだと知った気がした…

美空の近くでずっと、気遣い…気丈に振る舞う母さんは本当は一番辛かったんじゃないだろうか…

自分の産んだ子が…

どうして強く丈夫に生んであげられなかったのか…
そう思って今まで過ごしてきたんだと思った…

私は母さんに
『大丈夫!
美空は大丈夫だ!神様はそんなに悪い人ではないよ…
きっと美空なら乗り越えられる!!
そう思われたから、美空を選んだんだよ!!
美空を支えよう…どんなときも…』
と母さんの方に手を添えた

母さんは、
うなずき
『そうね…
きっと…私が泣いてはいけなかったわ…』
って微笑んだ…

私は母さんに
『お前も、
泣いてもいいんだぞ!!
泣きたいときは、泣けばいんだ!!
ただ、私が帰った時だけにして美空のまえでは泣くんじゃないぞ…』

といった

『ありがとうございます
でも、あなたはいつ泣くんですか!?』
って聞く母さんに私は微笑んだ…

そんなこと気にするなと…

伝わっただろうか…