それからの私は、コウとほとんどの時間、一緒にいるようになった。
コウが元カノと会わないように。
トイレに行った隙に連絡を取るんじゃないかと、ついにはそんなありえもしない想像さえしてしまい、日に日に気が気じゃなくなっていった。
なのに、それとは対照的に、コウは日に日に上の空で考え事をするような時間が増える。
「ねぇ、今の話、聞いてた?」
「何だっけ?」
「だからぁ、私今日、買い物してたら変なオヤジに声掛けられて」
「あぁ、そっか」
受け答えさえ、素っ気ない。
イライラしすぎて吐きそうだった。
まさか元カノのことを想っているんじゃないかと疑ってしまう度、どうにもならない苛立ちに襲われて。
「私の話、つまんない?」
「何怒ってんの」
「だってコウ、聞いてないじゃん!」
「聞いてるっつってんだろ」
くだらない喧嘩まで増える始末だ。
セックスさえしていない。
ただ単に、私が生理になっただけなのに、もしかしたらこれは元カノの呪いなんじゃないかとさえ思えた。
つまらないことに一喜一憂して、だから疲れだけが増していく。
それを、馬鹿みたいな酒の量で誤魔化して。
けれど、それでもまだ、私は自分の愚かさに気付いていなかった。
そしてそれは、6日後に起きた。


