「でも、今はまずコウのことだ」
カイくんは再び私に銃口を向ける。
「無駄話はそろそろ止めにしない? お喋りを続けて時間を稼ごうって腹なんだろうけど、その手には乗らないよ」
「やめろ、カイ!」
無理やり立ち上がったコウは、肩で息をしながらテーブルにあった雑誌の束をなぎ払う。
コウはカイくんを睨みつけた。
「俺が憎いのは十分わかったよ。こいつらを殺したのも俺の所為にしていい。だけど、マリアは関係ないだろ」
「……『関係ない』?」
「そうだよ、関係ない。だからマリアは巻き込むな」
コウの足元の血溜まりは、誰のものかもわからないくらいに広がっていて。
「そんなに愛しいカノジョが大事なんだ? 庇っちゃって。笑えるね」
刹那、パンッ、とまた響いた発砲音。
コウの左の肩口から血しぶきが飛ぶ。
コウは血を吐いた。
「もうやめてよ! コウが死んじゃう!」
私は慌ててその傍まで駆け寄った。
カイくんは肩をすくめて拳銃を放り投げる。
「最後の一発、使い切っちゃったじゃん。せっかく、マリアちゃんを殺してあげるために取っといたのに」
代わりにカイくんは、ズボンのポケットからバタフライナイフを取り出した。
「もうこれしかないんだけど、いい? すぐには死ねないと思うから、苦しいだろうけど。コウがごちゃごちゃ言わなきゃよかったのにね」
カイくんはナイフの柄を握り締め、私たちの元へと近付いてくる。
狙っているのは、やっぱり私らしい。
カイくんは再び私に銃口を向ける。
「無駄話はそろそろ止めにしない? お喋りを続けて時間を稼ごうって腹なんだろうけど、その手には乗らないよ」
「やめろ、カイ!」
無理やり立ち上がったコウは、肩で息をしながらテーブルにあった雑誌の束をなぎ払う。
コウはカイくんを睨みつけた。
「俺が憎いのは十分わかったよ。こいつらを殺したのも俺の所為にしていい。だけど、マリアは関係ないだろ」
「……『関係ない』?」
「そうだよ、関係ない。だからマリアは巻き込むな」
コウの足元の血溜まりは、誰のものかもわからないくらいに広がっていて。
「そんなに愛しいカノジョが大事なんだ? 庇っちゃって。笑えるね」
刹那、パンッ、とまた響いた発砲音。
コウの左の肩口から血しぶきが飛ぶ。
コウは血を吐いた。
「もうやめてよ! コウが死んじゃう!」
私は慌ててその傍まで駆け寄った。
カイくんは肩をすくめて拳銃を放り投げる。
「最後の一発、使い切っちゃったじゃん。せっかく、マリアちゃんを殺してあげるために取っといたのに」
代わりにカイくんは、ズボンのポケットからバタフライナイフを取り出した。
「もうこれしかないんだけど、いい? すぐには死ねないと思うから、苦しいだろうけど。コウがごちゃごちゃ言わなきゃよかったのにね」
カイくんはナイフの柄を握り締め、私たちの元へと近付いてくる。
狙っているのは、やっぱり私らしい。


