明るくてカラフルでとてもキラキラした世界だった。

背の高い黄色の花弁がそっと見下ろしてくる温かな景色。

その中をただひたすらに僕は走り続けた。
目の前を行く背中を追いかけた。

なぜ追うの?
なぜ逃げるの?

僕は「僕」が追いかける人物が振り返らないことも立ち止まらないこともなぜか知っている。

知らない名前を叫びなら必死に走り続ける「僕」を見ている僕はひどく気分が悪かった。