「新庄くん、ありがと。」 あたしはそうつぶやいて、ローファーを拾った。 「別に。」 と言って翔くんは髪をくしゃりとした。 全然目を合わせてくれない。 本当なんで? 翔くんはあたしを嫌いなんじゃないの? なのに、なんで、靴を探してくれたんだろ。 その問いには答えが見当たらなかった。 どこを探しても答えが見当たらない。