「いってきまーす!」


「ちょっと、百合!あんたスーツのタグ付けたままよ!」


「えっ」


気持ちよく家を出ようとした私は、お母さんのそんな言葉で『うっ』と立ち止まる。


「嘘ー…。」


「本当にそそっかしい子ねー。」


そう言ってお母さんは、背中にぶら下がっていたタグをとってくれた。