こっち向けよ、バカ。





「康ちゃーん、ちょっくらまさ兄ちゃんとこ行ってくるね」



すくっと起き上がり、小包みされたチョコレートが入ったバスケットを持つ。



「は、なんで」


私がそう言うと、勉強していた康ちゃんがくるりとこちらを向いた。



「余ったチョコまさ兄ちゃんにおすそ分けと、構ってもらってくる」


「カスなんだから勉強しとけ」


「飽きちゃったんだもん、まさ兄ちゃんに相手してもらうのー。」



ふふん、康ちゃんの地獄勉強会から脱出してやるぜ。




「じゃ、いってきまー……ぎょわっ」



いってきますと、康ちゃんの部屋のドアノブに手を掛けて出ようとしたとき




片方の腕がぐいっと引っ張られた。