こっち向けよ、バカ。






バタン、とドアが閉まる音を後にして歩きだす。



今から約二ヶ月前に入学した、私が通っている高校は徒歩通学で行けるという楽な通学方法。


よく勉強頑張ったもんだ、と中学三年の頃の私を褒めてあげたい。




「……あっ」




いつもの道のりを歩いていると、数メートル先にいた人物を見て声をあげた。




「いっちょ走りますか」



そしてその人物めがけて朝から走った。