「あーもうそんな時間?」



リビングにある掛け時計に目をやると家をでなければならない時間だった。




「はい行った行った、康二くんはもう家出てるわよ」


「…ちっ」



母に背中を押され通学鞄を持たされ。





「忘れもんは?」


「ふっ、あるわけなかろう」



朝からドヤ顔を決め、母にしらけた顔を向けられながらも「いってきまーす」



玄関のドアを開け、一歩踏み出した。