ひだまりの君。



・はやくはやく!


「う~ん…」

時計をじっくり見たって時間は進むはずもないのに、さっきから時計とにらめっこ。

まだ三限目なのに…あぅーお腹すいてきちゃったよ……


(くいっ)

「へ?」
マキちゃんに腕の裾をひっぱられた。

マキちゃんが手紙をわたしに渡して、
「これ…あおいちゃんから…」
と可愛くてちっちゃな声でつぶやいた。

「ありがとーっ!」
マキちゃんが可愛すぎる声をだしたので、負けじとぶりっこする。
でも声優さんでもないのにいきなり可愛い声がでるはずもなく、いつも通りのわたしの声が耳に響いた。
むなしかった…
勉強、運動、声、顔、仕草、性格の可愛さ…………

すべてマキちゃんに劣ってるんだ。
はぁ、なんてため息もつきたいとこだけど…それより!!
あおいちゃんからのてっがみー!!
いきなりハイテンションになり、
手紙をひらくと…

【りりぃぃぃっ!!!!!
知ってると思うけど…今回のメンツ かなり豪華なのよー!!!
あ、でもりりぃはお楽しみに
してるのか…五限目はやくーぅ笑】

あおいちゃぁぁあんっ!!!!
叫びたかった。

あっ!!申し遅れました、わたしは
安東梨々香ともうします…
りりぃって呼ばれてるよ!!
あと、この手紙の送り主あおいちゃんは
「おひるね列」がなんなのか唯一分かる人なの!!
わたしとあおいちゃんはなかよしさん!!!!
マキちゃんとあおいちゃんがわたしの親友なんだ!

で…話を戻すと、



わたしはもちろん筆箱からちっちゃなメモちょうを取り出してお返事をかくことにした。


【うわぁ~豪華?!きになるよぉお!!
待ち遠しいっ!放課後語り合おうねっ ~!!!】

わたしは興奮しながらマキちゃんに
「あおいちゃんに!」
って大きめな小声で話しかけた。



…その時のマキちゃんが何を考えてたかなんて知らなかったんだけど。


マキちゃんは、「ん」って首を縦に振りながら、手際よくあおいちゃんに回してくれた。