「今日も、元気そうですね。

         リーゼル。」


「死神さんもね。

  十日前の会話が 嘘みたいよ?」


死神が

リーゼルの家に来て

十日が 経った。


リーゼルは

死神に 笑いかけ、


「スコーン、持ってきますね。

  紅茶、飲んでて良いですよ。」


…と 言って、台所に 向かった。



「駄目だ。これは 禁忌だ…。

 標的である人間に、ハンターが

 恋心を抱いてしまうだなんて…。」


…そう。


死神は リーゼルに

恋をしてしまったのだ。