王子様の危険な恋愛領域


は、はい?


思わぬ発言に、俯けていた顔を上げた私。


パチパチと瞬きを繰り返しながら、光琉に視線を向けた。


「今、可愛い…って言った?」


「ああ。」


「私が、可愛い…?えっ、言い間違いとかじゃなくて…?」


「何言ってんだよ。んな訳ねぇだろ。」


「えぇっ!!」


思わず、大きな声をあげてしまった。


やっぱり、今日の光琉…おかしいよ。


本人には自覚がなくても、実は熱があるんじゃないだろうか…。


「…お前、驚き過ぎだろ。」


「そりゃ驚くよ…!てっきり、私のお腹が鳴ったことが面白くて、笑ったんだとばかり思ったから…。」


「は?そんなの、誰にだってあることだろ。別に笑うようなことじゃねぇよ。」


「…………。」


サラリと言ってのけた光琉に拍子抜けしてしまった。


へぇ…。
からかったりしないんだ…。


意外…。