王子様の危険な恋愛領域


きゃああ!!
き、気付かれてたっ…!


ビクッと肩が上がる。


光琉ってば、聴力…良すぎるんじゃないの…!?


「…違うのか?」


「いえ、そうです…。」


恥ずかしさを感じながらポツリと呟いた。


ここで下手な嘘をついても仕方がない。


お腹が空いてるのは、紛れもない事実なんだから。


はぁ…。
きっと、光琉…笑うだろうな…。


そう思いながら俯いた途端、光琉からフッと笑う声が聞こえてきた。


ほら、やっぱりね。
予想した通りの展開だわ…。


これじゃあ、家に帰るまで話題は…お腹の音かも。


散々、からかわれたりして…。


憂鬱な気分に浸っていた時だった。



「紗姫の照れまくってる顔、すげぇ可愛いんだけど。」