彼は、幼なじみ。


家も近所だし、小学校から高校まで同じクラス…だったりする。


黒髪の短髪、切れ長の目、スッと通った鼻。


小さな頃は私と同じぐらいの身長だったのに、グングン伸びて、今や少し見上げるほどにまで差がついてしまった。


高校生になって、一段と大人っぽくなったし、童顔な私とは大きな違いだ。



「なんで、有り得ないのよ!そんなの分からないじゃない…。そのうち、紗姫が王子のファンになる日だって、来るかもしれないわよ?」


「いや、それはねぇな。紗姫が無愛想王子のファンとか…想像できねぇ。」


私を見てフッと笑う淳也。


確かに、淳也の言うとおり…だと思う。


私が皆辻君のファンになるなんて、絶対に無い…。


だって、女の子たちに対する態度が冷た過ぎて、見てるだけでイライラしちゃうから…。