なんで、いきなり…目を逸らしたんだろう?
よく分からない反応だけど、そんなことは…どうでもいい。
それよりも、今の皆辻君の言葉…。
要するに…
「昨日のこと、やっぱり…まだ根に持ってるんだ…。」
「は…?」
「気になって頭から離れないぐらい、根に持ってる…ってことでしょ…?」
皆辻君の視線が私に注がれる。
「頬を叩いたり、怒ったりしたのは紛れもない事実だし、そんな私に苛ついたんだろうけど、だからって…嫌がらせは…あんまりじゃないの?」
「嫌がらせ…?」
「大勢の女の子たちが見てる前で、あんなこと言って、私が困る姿や慌てる姿を見て、楽しみたかったんでしょ?」
「……………。」
皆辻君は、少し驚いた表情を浮かべる。
無言…ということは、何も反論出来ないぐらい、私の推理が的中してたってことかしら…。
心の中で頷いていると、突然…皆辻君は背を屈めて、私の顔を覗き込んできた。
「お前、もしかして…鈍感?」


