王子様の危険な恋愛領域


「だったら、勝手な先入観で先輩に肩入れするんじゃねぇよ。」


「…………。」


「俺は、事実を言ったまでだ。別に性悪とかじゃねぇと思うけど?」


何よ…。


肩入れとか、そういう問題じゃないでしょ!?


む、ムカつく…。


皆辻君に怒りの視線をぶつけながら、唇をキュッと噛みしめた。



「それはさておき、本題に移らせてもらう。」


そう言えば、話がある…って言われて、無理やり連れて来られたんだった…。


「本題って…?」


「今日の昼休みに、俺が言ったことについて。」


その言葉と同時に、頭の中に蘇った、お昼休みの最悪な光景。


私は、すかさず口を開いた。


「あ、あれ…取り消してよ!」


「は?」


「私に拒否する権利がないだなんて、おかしいもん!ここで今すぐ取り消して!」


必死に訴えたけど、皆辻君から返ってきたのは…



「却下。」


その一言だった。