王子様の危険な恋愛領域


す、鋭い……。


ピクリと肩が上がる。


「その顔は図星だな。ったく、俺のどこが性悪なわけ?」


「な、何よ…。自覚ないの!?」


涼しい顔で首を傾げる皆辻君にイラッときた私。


ソファーの傍までツカツカと歩いて来ると、彼を睨んだ。


「女の子たちに対する態度、冷たすぎるでしょ!昨日の黒岩先輩への言葉だって、酷すぎる…。」


「は?」


「うるさいだの鬱陶しいだのウザイだの…、散々な言い様だったでしょ?そのせいで、先輩…泣いてたじゃない!純粋な恋心を踏みにじるような態度、最悪なんですけど!」


「…………。」


黙って聞いてた皆辻君だったけど、私が言い終えると同時に、ソファーから立ち上がった。


「純粋な恋心…とか言うけど、お前…あの先輩の何を知ってんの?」


「えっ…?」


皆辻君から不意に飛んできた質問。


何を…って言われても…。


「せ、先輩のことは…よく知らないけど…」


口ごもる私に、皆辻君は眉をしかめた。