王子様の危険な恋愛領域


やけに親しげな感じ…。


皆辻君も“よっ”なんて、馴れ馴れしく挨拶してるし…。


一体、どういう関係…?


二人をジーッと見ながら首を傾げると、保健室の先生がフッと笑った。


「実は、俺と光琉…いとこ同士なんだよ。」


「えぇっ!?」


驚きのあまり、零れてしまった大きな声。


もしも、具合の悪い生徒がベッドで寝ていたら、飛び起きていただろう…。


幸い、私たち以外の生徒は誰もいないから良かったけど……。


「なかなか、いいリアクションだね。まあ、普通は…驚くか…。」


「は、はい…。」


まさか、親戚だなんて…思ってもみなかったし…。


苦笑いしていると保健室の先生は立ち上がって、私たちの傍にやって来た。


「一応、自己紹介しておくね。保健医の篠田 慶吾(シノダ ケイゴ)。光琉とは8歳差なんだ…。よろしくね。」


「あっ、はい…。宜しくお願いします…。」


軽く会釈する篠田先生につられて、私もぎこちなくお辞儀をした。