「お前、無愛想王子には興味がないんだもんな?」
「当たり前でしょ!興味なんて、全然無いんだから。」
キッパリ断言する私に、淳也は嬉しそうに笑った。
「それでこそ、紗姫だな。」
「ま、まあね…。よーしっ、こうなったら…皆辻君に文句言ってやらなくちゃ!あんな一方的な命令、取り消しにしてもらうんだから!」
拒否権がないなんて勝手すぎる。
私にだって、NOと言える権利はあるんだし…。
「そうだな、その意気。でも、一人で大丈夫か?あの無愛想王子、かなり性格悪そうだし…。」
「うん、なんとか頑張ってみる…。あんな性悪な人に負けられないもん…。」
心の中で気合いを入れていた時だった。
「誰が、性悪だって?」
後ろから降ってきた低い声。
反射的にビクリと肩が上がる。
ぎこちなく振り向いた私は、目を見開いてしまった。


