王子様の危険な恋愛領域


「あの、私の家に光琉が泊まることについて話をしてた…。」


「…それだけ?」


「え、えっと……それから…光琉のこと、どう思ってるのか聞かれて……」


「……答えは?」


「えっ…」


「紗姫は、なんて答えた?」


私を急かす、光琉の低い声。


「そ、それは……」


思わず口ごもる。


光琉のことが好きだって言おうとしたけれど、その前に淳也に……


ボンっと浮かんだ、あの時のキスの光景。


私は、咄嗟に片手で唇を覆った。


淳也に、いきなりキスされて、驚いたし…戸惑った。


光琉のことをどう思ってるのか聞いたのは淳也なのに、どうして…答えさせてくれなかったのか…


疑問に感じた。


でも、それは…私のことを好きだったから…なんだよね?


淳也が私を…。


“ずっと”って、いつから?


私、全然…気付けてなかった…。