王子様の危険な恋愛領域


「えっ……」


思わぬ言葉に目を見開く。


「ずっと、お前が好きだった。」


淳也が、私のことを…?


あまりにも驚いてしまって、声が出てこない。


「俺、紗姫が無愛想王子と付き合ってんのは、、何か事情があって、渋々…付き合うフリみたいなことしてんのかな…って思ってた。だから、そのうちに終わるだろうって考えてたんだ…。」


付き合うフリしてる、なんて…直接打ち明けたわけじゃないけど…


淳也、なんとなく察してたんだ…。


「でも、甘かった…。こうなるぐらいなら、色々と頭で考える前に、早く気持ち伝えれば良かったのにな…。」


自嘲気味に笑った淳也は、私の傍へとやって来た。


「今更かもしれないけど、それでも…やっぱり、この気持ちを伝えないままでいるのはイヤだったんだ…。まだ可能性が完全に無いとは言い切れな……」


「ねぇよ。」


淳也の言葉を遮るようにして、光琉が鋭く言い放つ。


「アンタが俺と紗姫の間に入る隙なんて、一切ねぇ。」