「その情報、どこから…」
私は誰にも何も言ってない。
他に聞いていた生徒なんて、いなかったし…。
疑問を抱いていると、亜弓ちゃんはキョロキョロと辺りを気にしながら、私の耳元に顔を近付けた。
「黒岩先輩本人が、今朝…同じクラスの友達に打ち明けたらしいの。それが、一気に広まったみたい。私は、さっき休み時間に隣のクラスの友達から聞いたんだ…。」
「そ、そう…。」
なんだ、情報源は先輩本人だったのか…。
それが、あっという間に学校中に広まるんだから、すごいよなぁ…皆辻君と黒岩先輩。
「私、お似合いの二人だと思ってたんだけどなぁ〜。急に別れた…って聞いてビックリしちゃった…。」
残念がる亜弓ちゃんに、苦笑いを浮かべた。
昨日のような、皆辻君の性悪っぷりを亜弓ちゃんが知ったら、もっとビックリするだろうな…。
ショック受けちゃうかもしれないし、昨日のことは、ずっと秘密にしておこう…。
そう心に決めて、お弁当の卵焼きをパクッと口に入れた時だった。


