王子様の危険な恋愛領域

淳也、どうしてそんな顔するんだろう…。


今も、お昼休みも…。


「紗姫、答えろよ…。」


淳也が低く呟く。


ジッと見つめる目を見ながら、私は口を開いた。


「あ、あのね……」


淳也には、ちゃんと言っておこう…。


光琉に対する特別な気持ちのこと…。


「私、光琉のことが……」


そこまで言った…その時、淳也は私の体を抱き寄せる。


次の瞬間、私の唇に温かいものが一瞬だけ触れ
た。


今の、キス…?


瞬きをしながら驚く私を、淳也はギュッと抱きしめる。


「ごめん…。“答えろ”って言ったのに、アイツのことをどう思ってるのか、紗姫の口から聞きたくなかった…。」


「淳也…?」


どういうこと…?


混乱していると、淳也の吐息が私の耳元にかかった。


「俺……」


淳也が何か話そうとした時……。






「俺の女に、何してんの?」