王子様の危険な恋愛領域

「ダメ!鍵かけたって、完全に安心っていうわけじゃないのよ?」


そ、そんな大げさな……。


苦笑していると、お母さんは光琉に視線を向けた。


「そこで、皆辻君にお願いがあるの。」


「俺に…ですか?」


「ええ。申し訳ないんだけど、私が留守の間…紗姫と一緒に過ごしてもらえないかしら?」


「えぇっ!?」


お母さんの発言に、思わず甲高い声をあげてしまった私。


驚きのあまり、目を見開いた。


「ちょ、ちょっと…!お母さんってば、冗談言ってるの…?」


「冗談なわけないでしょ!彼氏の皆辻君が一緒なら、私も安心だし。」


「で、でも…光琉だって、そんな急に言われても迷惑だよ…。」


不機嫌極まりない表情をしてるんじゃないかと思い、隣に座っている光琉を見ようとした時だった。



「分かりました。俺で良ければ、一週間…紗姫の傍にずっと居ます。」