「はぁ…。」


光琉の正式な彼女になって、初めて過ごす学校での一日が、ようやく終わった。


放課後になった途端、ドッと押し寄せる疲労感。


思わず、溜め息が零れた。


「紗姫、なんで溜め息ついてんだよ。」


帰り道、隣を歩く光琉から不満そうに聞かれた私は、口をツンと尖らせる。


「だって、光琉…授業の時以外は…ずっと傍にいるんだもん…。」


「は?付き合うフリしてた時だって、そうだったじゃねぇか。」


「そ、それはそうだけど…。雰囲気とか行動が…違うよ。」


「雰囲気と行動?」


「あ、甘すぎる…。今日、すごく優しい笑顔を私に向けてくるし、お昼の時も休み時間も…女の子たちが見てるところで堂々とキス…してたじゃない。」


ポツリと呟くように答える。


言葉にするだけで、その時のことが頭に浮かんでしまい、顔がカアッと熱を帯びていくのを感じた。